【香川】国産機YS11 3年ぶり大空へ 戦後初の国産旅客機

http://www3.nhk.or.jp/lnews/takamatsu/20180511/8030000945.html

05月11日 18時17分
高松空港に駐機されたままになっていた戦後初の国産旅客機、YS11型機が拠点を石川県に移すことになり、11日、3年ぶりに大空に飛び立ちました。

YS11型機は戦後初の国産旅客機として40年以上、日本の翼として活躍し、平成18年に国内の定期運航を終了しました。

11日に飛び立ったYS11型機は、スクラップの危機に直面していた機体を大阪の企業が落札したもので、3年前から高松空港に駐機されたままになっていました。

高松空港が先月、民営化され、駐機できる期限が制限されることになったため、石川県の能登空港に隣接した日本航空学園に拠点を移すことになりました。

11日は、正午前に3年ぶりのフライトとなるおよそ10分間の試験飛行が行われた後、午後2時すぎに能登空港に向けて滑走路を飛び立ちました。

空港の展望デッキには、久しぶりの雄姿をひと目見ようと航空ファンなどが詰めかけ、独特の高いエンジン音を懐かしんだり、写真に収めたりしていました。神戸市から訪れた25歳の男性は「動いている機体を見るのは初めてです。勢いよく飛んで欲しい」と話していました。

機体を所有する会社の鼓呂雲建造CEOは「“機械遺産”として飛べる状態にしておくことに意味があるので、今後もできる限り長く保存したい」と話していました。

能登空港で学生ら歓迎】
YS11型機は、およそ2時間かけ午後4時過ぎに石川県の能登空港に到着しました。機体が駐機場に入ってくると、学生や教職員たちおよそ200人が手を振て歓迎し、降りてきた機長に花束を渡しました。

日本航空学園では、すでに学生の整備の実習用などとして「YS-11」を3機所有していて、これで4機目となります。

日本航空学園の梅沢慶臣学園長は「『YS-11』の飛行を見られたのは学生たちの良い経験になった。貴重な機体を保管できることに誇りに思う」と話していました。