【加計】加藤氏と加計側の面会後、今治市「厳しい」愛媛県新文書

学校法人「加計学園」の獣医学部新設を巡り、愛媛県が21日に国会に提出した、政府側との面会やそれに至る経緯に関する新たな内部文書。新設に向け、加計学園側による加藤勝信内閣官房副長官(当時)との面会や、下村博文文部科学相(当時)のスタンスの変化に関する記述がある。

報告

獣医師養成系大学の設置に係る加計学園関係者との意見交換会等について

                     27.2.

                    地域政策課

1 2月12日(木)、加計学園関係者と県・今治市との間で意見交換会を行った。

2 加計学園からは、

  ①イスラム国問題等で多忙を極める安倍首相と同学園理事長との面会が実現しない中で、官邸への働きかけを進めるため、2月中旬に加藤内閣官房副長官(衆・岡山5区、当選4回)との面会を予定していること

  ②文科省の事務レベルでは獣医学部新設の方向性は出されているが、下村文部科学大臣が、自由民主党獣医師問題議員連盟会長(日本獣医師会と協力関係)である麻生副総理との関係から、一歩引いたスタンスに変化していること

等の説明があった。

 また、吉川副学長からは、アベノミクス・成長戦略に対応した獣医学部の提案や具体的な獣医学部構想等についての説明もあった。

3 なお、新潟市の国家戦略特区の獣医学部設置構想を巡る審議の中で、委員から、獣医学部の定員制限は既得権の保護ではないのかとの厳しい意見が出されるとともに、愛媛県今治市構造改革特区申請についても言及があった。

4 今後とも、加計学園からの情報を参考にしながら、引き続き今治市と連携して対応してまいりたい。

報告

獣医師養成系大学の設置に係る現在の情勢について

                    27.2.

                    地域政策課

1 今治市から、加計学園と加藤内閣官房副長官との面会の状況は次のとおりであり、今治市への設置は厳しい状況にあるとの連絡があった。

《加藤内閣官房副長官のコメント》

  ① 獣医師養成系大学・学部の新設については、日本獣医師会の強力な反対運動がある。

  ② 加えて、既存大学からの反発も大きく、文科大臣の対応にも影響か。

  ③ 県・今治市構造改革特区への取り組みは評価。ただし、関係団体からの反発が極めて大きい。

  ④ 新潟市の国家戦略特区については、詳細を承知していない。

2 そのような中、国では、国家戦略特区申請の積み残し分について、地方創生特区の名のもとに追加承認を行う模様であり、加計学園では、新潟市の国家戦略特区の中で提案されている獣医学部の設置が政治主導により決まるかもしれないとの危機感を抱いており、同学園理事長が安倍総理と面談する動きもある。

3 今後とも、加計学園からの情報提供を踏まえながら、今治市と連携して対応してまいりたい。

【参考】新潟市の国家戦略特区について

新潟市は、大規模農業改革拠点を目指して、平成26年12月19日に国家戦略特区「新潟市 革新的農業実践特区」の認定を受け、農地法等の特例措置により、ローソンによる農業生産法人の設立や農地での農家レストラン設置などに加え、獣医師養成系大学の設置や、一体的な保税地域の設置等の追加の規制改革を求め、現在、関係省庁等と協議が継続中。

○本県からは国家戦略特区での提案は行っていない。

朝日新聞
https://www.asahi.com/articles/ASL5P6RMHL5PUTIL07V.html